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行政の理念はひとつ!
No.2
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/08/17
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行政の理念はひとつ!
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日常の業務の中で、「行政の目的とは何か」という自分への問いは非
常に重要であると考える。
■横並びの理念や目的
都道府県、市町村の枠をこえて、ほとんどの自治体のプランを開けば、
「住民の安全、安心できる生活の確保」、「快適で健康的な生活環境の
創出」、「豊かな自然環境の保全」など、同じような言葉、表現が並ん
でいる。例えば、道路整備という具体の施策でも、「安心・安全」「快
適な」「みどり豊かな」「渋滞のない」「活力ある」などのキーワード
はほぼ同一であろう。
しかしながら、日々の業務で、そのような理念、目的、目標をどれだ
け意識しているだろうか。プランづくり、予算編成、議会への対応とい
う外的な圧力があって、はじめて、こうした言葉が振り返られるのでは
ないだろうか。
■全体と部分で異なる理念や目的
プランづくりや予算編成において、どのレベルの組織が作成するかに
よって、理念や目的がめまぐるしく変化する。自治体全体、部局レベル、
課所レベル、担当レベル、職員個人の各レベルで、理念、目的をつくっ
ていくと、言葉の意味するスケール感が段階的に拡大・縮小していくの
だ。例えば、道路整備の担当者にとっては、「住民の安全・安心」(自
治体全体)、「安全・安心を確保する社会基盤整備」(部局)、「安心
・安全を確保する道路整備」(課所)、「安全・安心を確保する幹線道
路や生活道路の整備」(担当)などなど。微妙な表現である。
しかしながら、住民にとっては、「道路」はどこまでいっても「道路」
であろう。組織レベルで理念が異なっていようがいまいが、「必要な道
路はつくってほしい」し、「無駄な道路づくりで生活環境を侵さないで
欲しい」のではないだろうか。
だとすれば、組織レベルごとに理念や目的を微妙に変えるのは、行政側
の都合だけとなる。
まわりくどくなってしまった。さて、行政にとって、組織レベルごと
に理念や目的を変えることは、どのようなメリットがあるのだろうか。
組織の事務の範囲、規模で理念や目的を変えることは、一見、適切に思
われるが、組織の規模に応じて目標を変えるのは、縦割り行政、組織防
衛、前例主義を助長することはあっても、これを解決する力は一切働か
ない。「うちは道路をつくればいいんです。計画が決まった道路につい
て、いかにコストをかけず、かつ早期に完成させることが私の使命です
から。」どこから、聞いたような言葉ではないだろうか。
■理念はひとつ!目的はひとつ!
私は、行政の理念や目的は、その自治体らしい究極のものを1つだけ
定めるべきだと思う。その1つの理念こそが、我々行政のめざすゴール
であり、日常の課題や疑問を解決するための最後のよりどころにするも
のであると思う。いわゆる全員の「合い言葉」「共通言語」である。例
えば、「行政の目的は、将来の世代にわたって、住民の幸福を創出する
こと」などはいかがであろうか。このひとつの理念を軸として、「将来
の世代」「住民の幸福」といった言葉を、各組織レベルで読み替えて、
行政運営を行うべきではないのだろうか。
異なる組織が共通の目的を共有することで、はじめて組織の壁を越え
た本来の行政目的に到達できると思うが、いかがか。
成果主義と人材育成
No.3
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/08/30
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「成果主義」と「人材育成」の甘い落とし穴
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■疲弊する企画部門
「成果主義」という言葉が言われて久しい。行政活動、企業活動を問わず、“成果(=
パフォーマンス)”を出すことは大変重要である。「成果がでなければ、やる意味がな
い」、ごもっとも。
が、しかし、どういうものさしで成果を測るのかは、職務の内容によって異なるはずだ。
そもそも、行政の仕事で1年や2年で出る「成果」のほうがまれではないか。
窓口業務などは1年の成果で評価するのは可能であろう。
でも、道路づくりは10年、まちづくりは30年、森林づくりは50年、景観・
風景などは100年でやっと成果がでるくらいが当たり前ではないか。
また、総務部門、事業部門、企画部門という見方でとらえても、この順番で成果の
スパンが長くなっていくはず。
1年で成果を出さなければならない「企画」など、企画といえるのだろうか。
住民の幸福が行政の目的であり、時代の流れを勘案し、それを 達成するために
必要な「企画」とは何か、を考え、プランを提案することが企画の仕事であろう。
1年の成果を真に受けると、毎年、毎年、手を変え品を変え、プランをつくり続ける
ことになってくる。「企画すること」自体が目的化してしまうのだ。
簡単明解な「人間の行動モデル」である。これが続くと、企画部門は、「プランの
短期生産→ネタ切れ→プランの陳腐化→予算、人員の削減→担当者の疲弊→
(それでも)
プランの短期生産」という、最悪のスパイラルが循環しはじめるのである。
■評価で「人」は変わるか?
「成果主義に基づく人事評価制度」も今や“フツー”であろう。成果の数値化、
360度評価など、「ツール」はどんどん生まれてくる。
民間企業の制度は、それが最先端で最優秀の制度であるかのごとく、
(果たしてそれが行政組織で最優秀であることをどれだけ検討・検証しているのか)
採用しつづける。
行政は、民間企業が大好きな人種であるらしい。(私もそうなのか?)
しかしながら、そもそも、「人」は評価で変わるのだろうか?
成果を上げることは確かにひとつの大きな目標であろう。
原因と結果から考えれば、
「成果をあげる←仕事の能力が向上する←努力する。頑張る。←やる気がでる←
仕事が楽しい、やりがいがある」
という図式ではないのだろうか。「評価」をしていて楽しいのは、「評価をする人」と
「もともと成果がでている人(能力のある人)」だけではないか。
一方で、人材開発の大きな使命は、「人のマインドを変えること(プラスの意味で)」
「人の能力を育てること」ではないのか。
■「“人”をつくり、育てること」は、すべての組織人の責務
「成果主義」は、確かに客観的でわかりやすい。しかし、これは、評価する側(幹部)
から見たご都合主義であろう。
成果主義の導入目的が、「職員の意識改革、能力育成」と「行政目的の効率的な
達成」であるならば、即刻、成果主義の盲信は止めて、 「いかにすれば、“人”は
やる気になるのか」を真剣に再考すべきである。
そして、また、「人をやる気にさせること」「人を育てること」は、人事担当の役割で
はなく、すべての組織人の責務である。
「目的」と「手段」を常にはき違えるかわいそうな公務員たち、皆さんはどう思うか?
組織のミッションとビジョン
No.4
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/09/05
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最も大切なのは、組織の「ミッション」と「ビジョン」?
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■組織の使命と将来の姿
企業経営の名著のひとつとされる「ビジョナリー・カンパニー」の著者らが、最新作
「ビジョナリー・ピープル」を出した。
これまで流行った「ビジョン」や「ミッション」は、特に企業という組織にフォーカ
スして、「企業の使命とは何か、創業時の原点は何だったか」「将来どういう社会
(組織)を目指すのか」を問うてきたように思う。
行政も同じであろう。「行政としての使命」「まちの将来像」は、プランニングや
会議の場で頻繁にでてくるものである。
■「全体」が先か、「個」が先か
組織“全体”やまち“全体”のあるべき姿は、多く語られており、組織人である以上、
「全体」の使命や目標が先ずあって、それに合わせて「組織」から「個人」レベルへ
の目標の落とし込みがなされているのが実情であり、かつ当たり前となっている。
しかしながら、「あなたは何のために働くのか」という問いに対し、「組織のため」
「まちのため」と心底から答えられるだろうか。もちろん、「収入を確保する」こと
も重要であろう。
でも・・・。もう一度問いたい。「あなたは、なぜ働くのか」
■最も大切なのは、「自分」そして「自分の幸福」
第2号のメルマガで、「行政の目的は、将来の世代にわたって、住民の幸福を創出す
ること」と書いた。でも、最も大切なのは、「自分の幸福」でしょう。「働くことが
楽しい」→「住民が幸せ(になってほしい)」→「やりがいがある」→「自分も幸せ
」ではないのだろうか。こんなことって、書店の自己啓発本を眺めれば、いくらでも
書かれている。
組織人として紙に書けるのは、「行政の目的」であろう。でも、自分のハートの中で
は、さらにもっと大切なこととして、「働くこと=楽しい=幸せ」を常に感じていた
い。それが、ハートになければ、「仕事がつまらない=あなたの人生がつまらない」
ってことになってしまうのではないだろうか。
■プチカイゼンから始めよう!
「前例主義」、「事なかれ主義」、「縦割り組織」、「コスト意識ゼロ」、「倫理観ゼロ」
など公務員は言われたい放題だけど、ほとんどの公務員は真面目にガンバ
っている。(と信じている。)でも・・・・。「真面目」で「頑張る」だけじゃ、つまらない。
窓口業務だって、総務・経理だって、企画業務だって、折衝調整業務だって、
すべての業務のひとつひとつに目を向けよう。
日頃の仕事に不満があるのは、今よりもっと改善(カイゼン)する余地があると
いう証拠。「やらされ感」では絶対楽しくなれない、自分の身の回りから「プチカイ
ゼン」をやってみよう!「机の上をきれいに整理する」「笑顔であいさつをする」「
電話の応対は丁寧に」小学生でもできる当たり前のことから、始めてみよう。
行政を改革する前に、業務を改善する前に、ビジョンやミッションを語る前に、
「自分自身をカイゼンしよう!!」
絶対に、仕事が楽しくなります。自分が毎日少しずつカイゼンしていくことに、
喜びや快感を感じない人はいない。そうなれば、仕事することそのものも、新しい世
界が広がるようにやりがいが生まれ、楽しくなってくるのだ。やる気は、「楽しさ」
や「喜び」という“自分の快感”から生まれるのだから。
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これは、お薦め メールマガジン
「地方公務員拾遺物語」
マガジンID:0000098486
公務員が働く現場の一コマを、おもしろく、かつシニカルに描いています。
私には真似のできない芸当ですが、ついついK.Kさんの世界に入ってしまいま
す。
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公務員版「クレド」
No.6
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/10/02
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自己を律する公務員版「クレド」
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■ 終わらない公務員不祥事と変わらない依命通達
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飲酒運手、痴漢行為、公金着服など、新聞をにぎわす公務員の不祥事は、跡
を絶たない。
しかも、その後の対応は、依命通達により、「綱紀粛正」「職員倫理」「服務規
程」などの言葉が並ぶ文書の周知の終わっている場合が多い。
「自分は違う」「この職場だけは違う」「部下を信じる」というような無責任さが、
いつまでたっても変わらない組織体質、組織文化を維持しているのではないだろうか。
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■ 頭ではわかっているけど
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公務員の仕事の拠り所は、当然、「法」であろう。
憲法第15条第2項、地方公務員法第30条を並べなくとも、公務員のあり方
は、頭では理解(記憶?)しているはず。
さらには、公務員は、仕事以外の日常生活においても、営利企業の従事制限や
関連業者との接触などにおいて、一定の制限を受けている。
頭ではわかっている。でも、終わらない、止められない。
綱紀粛正の依命通達があっても、職場の雰囲気は変わらない。
私は、法や文書ではなく、組織の風土、文化を変える必要があるのではと思っ
ている。
そして、組織を律する風土をつくるためには、自分を律する“何か”が必要な
のではないかと思う。
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■自分を律する1本の軸 ~公務員版「クレド」~
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ホテル「リッツ・カールトン」をご存じであろうが、従業員の仕事の拠り所
「信条」となっている「クレド」(ラテン語で“信条”の意味)はご存じない人
もいるのではないだろうか。
クレドは、「クレドカード」として、ホテルの全ての従業員が仕事中、ポケット
等にしのばせて、持ち歩いているものである。
そこには、クレドの全文とそれをより具体化した12の「サービス・バリュー
ズ」が記載されている(らしい)。
従業員は、すべての意味を理解しており、何か判断に迷ったときには、このク
レドを読み返し、判断そして行動の拠り所にしている。
ここでは、クレドの全文のみを紹介する。
“ リッツ・カールトンはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを
提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲
気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を
提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは、感覚を満た
すこことよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望や
ニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です。“
(「リッツ・カールトン20の秘密」より引用)
もちろん、このクレドには、公務員の倫理や服務については記述されていない。
しかしながら、組織運営として、全従業員がその組織に適合した「言葉」で綴っ
た信条(=モットー)を「共通言語」としてもつこと、そして、その信条が、信条
たり得る価値をもっていることに、大きな意義があるのではないか。
行政においても、トップダウンの理念ではなく、自分たちの言葉で、自分たちの
組織にふさわしい、自分たちの行動一つ一つを律する公務員版「クレド」をつくる
べきではないだろうか。
本当の選択と集中
No.7
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/10/27 ■□
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◇本当の「選択と集中」
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★現在の「選択と集中」
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「選択と集中により、事業を効果的、効率的に進めていく」
「選択と集中の観点から、必要な事業を実施し、早期に投資効果を発現させる」
耳障りのよい言葉が、計画書、議会等で見受けられる。
「選択と集中」のキモは、「何を選択すべきなのか」であり、「絞り込み」
を定めるということであろう。
そして、一番重要なのは、行政の政策が「選択と集中」になっているかどうか
であると考える。
「政策」、「施策」、「事業(種別)」、「個々の箇所」と分類すれば、現在
の「選択と集中」は、「個々の箇所」の数を減らして集中投資をするというもの
であろう。
投資効果を早期に発現するという意味では、それなりに意義があるが、最終的
に、計画したものすべてに投資するのであれば、全体をとおして見れば、「選択
と集中」ではなく、「順番付け」や「並べ替え」を行っているに過ぎない。
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★真の「選択と集中」、現実の「選択と集中」
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本来からすれば、行政の経営理念に基づき、きちんと行政目標を掲げ、それを
達成する政策等について「選択と集中」を行うべきである。極端にいえば、それ
以外はやらない(棄てる)というのが、「選択と集中」の神髄であろう。
しかしながら、行政サービスの公平性や公共性を考えれば、1か0かという議
論は到底できない。
現実的な方策としては、部局単位で予算編成の1つのとりまとめが行われる
(はず)なので、その部局の中で、「選択と集中をいかにすべきか」という議論
をすべきであろう。
その中では、少なくとも、組織的な予算の維持や箇所ごとの予算の確保という
観点は棄てて、部局単位での政策論を議論すべきであるし、それが、部局の幹部
職員の役割ともいえる。
過去のメールで「トップダウン依存症候群」を述べており、相反する意見では
あるが、部局単位であれば、仲間意識や同族意識から、こうした「しかけ」を試み
てもいいのかもしれない。
ただし、事前準備として、仲間を増やす「しかけ」も必要であり、部局内の有志
の職員で勉強会を開くなどして、来るべき日の準備をしておく必要もあるだろう。
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★「選択と集中」とカンパニー制
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政策の選択と集中にいたるまでの道のりは、はっきりいえば遠いといわざる
を得ない。
その大きな要因の一つが、「Near is Better」執行権をよりへ現場に近いとこ
ろに移譲することができないということである。
現場が現場の状況に応じた意思決定が可能であることと、現場が執行する際の
統一的な判断基準がきちんとあることが要件となる。
そうした中での一つの解が、カンパニー制といえる。部局長が執行部の責任者
として、予算の適正な管理を行うという権限をもつものである。
いずれの号で、カンパニー制の課題を論じることになるであろうが、予算に関
する権利と責任を明確にするという意味では、現状から1歩進歩するといえる。
公共性と公平性を担保した「選択と集中」のあり方は、まだまだトライアンド
エラーが必要であるといえよう。
いわゆるアウトカム指標
No.8
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■□ メルマガ公務員生活をデザインする 2007/12/05 ■
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◇いわゆるアウトカム指標
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★インプット→アウトプット→アウトカム
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公共事業のどれだけの予算を投資するかという「インプット」の考え方から
どれだけの公共施設をつくるかとういう量を基本とする「アウトプット」に
移行し、現在は、顧客志向を踏まえ、住民の視点にたった公共サービス水準
を指標とする「アウトカム」が流行である。
この流れは、基本的には、公共事業のメリットや効果が理解しやすくなって
いるという点で進歩しているといえる。
しかし、アウトカム指標が本当に住民の実感と整合しているかといえば、甚
だ疑問であるとしかいえないだろう。
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★アウトカム指標は何のために必要か
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アウトカム指標は、住民の視点でとらえた指標として理想的にいわれているが
、
たとえば次の指標は、住民の視点で理解できるであろうか?
例1)県内の道路の自動車旅行速度が2km/h向上する。
例2)人口一人当たりの公園面積が15%増える。
例3)人口一人当たりの警察官の数が20%増える。
これを住民が読んだときに、
”これから自分の住んでいるまちは良くなるんだ”という気持ちになるであろ
うか?
本来、アウトカム指標は、公共サービスの効果や成果を住民にわかりやすく伝え
るために考えられたものである。
だからといって、住民視点で指標化すれば、なんでもわかりやすくなるというの
は間違いであろう。
アウトカム指標が、手段ではなく、目的化しているのが、現在の流行の実態では
ないだろうか。
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★公共サービスを”わかりやすく”
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今のところは、公共サービスを住民にわかりやすく示すために今後も行政は努力
すべしということであろうか。
公共事業は、地域的な課題対応のものもあれば、広域的な課題対応のものもある
が、一般にいえば、
『広域になればなるほど、住民にとっては、効果や成果がわかりにくくなる。』
のは、自然なことではないだろうか。
基本的には、住民の行政における課題認識は、身の回りに起きる身近な課題で
あろう。道路でいえば、自宅周辺の生活道路を整備してほしい、公園で言えば、
近所の公園の遊具施設を安全にしてほしいということが一番ではないだろうか。
とすれば、わかりやすい公共事業は、地域的課題と広域的課題を区別し、アウト
カム指標で本当に理解できるものはアウトカム指標を用い、アウトカムではかえ
って実感しにくいものは、アウトプット指標に戻るというのも適切な対応ではな
いだろうか。
さもなければ、公共事業の効果や成果として、人口の増加や出産数の増加などこ
そが究極の指標とはいえないだろうか。
まちが好かれること、まちにずっとい続けたいと思うことを示す指標が最もふさ
わしいと思える。
もちろん、個別事業との因果関係が曖昧になるであろうが、目指すところとし
て
人口を意識することから、指標づくりが始まるのではないだろうか。
なお、最終の指標は、キャピタルゲインであるという人がいるが、私は、大間違
いだと思っている。
お金で人は幸福にはなれないのだから・・・。
だれもが知っている、そして、これまでの社会情勢の変化で学んできた”真実”
のことである。
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財政担当課の存在意義
No.9
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■□ メルマガ 公務員生活をデザインする 2007/12/09 ■□
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◇財政担当課の存在意義
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★財政担当課職員の勘違い
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経済学では、経済循環における1つの経済主体である政府の経済的行動として
「財政」を定義している。
そして、財政には、以下のような機能があるといわれている。
・資源配分機能
・所得配分機能
・需要創出効果
・財政の経済安定化機能
こうした財政運営を所管するのが天下の財政担当課であるのだが、
「財政」という観点からは、どこにも「政策決定」などという言葉は見当たら
ない。
予算編成において、最も傲慢な態度で、予算要求をぶった切ることが、重要な
使命であると財政課は思っているようだ。大きな勘違いである。
『権限が肥大化し過ぎると、冷静な判断力を見失う』
典型的な官僚組織であろう。
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★財政担当課の使命
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財政担当課の使命は何であるかを問いたい。
私は、
「行政が定めた政策を遂行するために、適切に財源を運用する」
ではないかと考える。
あくまでも政策決定は、政策担当部署が行う仕事だ。
財政担当課は、その政策内容を熟慮しつつ、行政全体の財政運営という観点から
、支出可能な予算を”割り振る”ことではないだろうか。
つまり、”政策”単位で、”予算”の枠を決定するのだ。
施策、事業など、政策ではない細部をどうするかということは、本来、財政担当
課が口をはさむ問題ではないはずだ。
財政担当課は、あくまで大局的な財政運営の舵とりをすべきであろう。
個々の事業をどうするかについては、事業を実施している部署に、執行の権限と
責任を付与するべきだ。
というふうに考えれば、事業を所管する部署の使命は、
「政策とそれにかかる予算を熟慮し、住民にとって最適な事業内容を決定し、事
業を遂行する」
ということになろう。
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★財政担当課に存在意義はあるか
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財政課は、もっている「責任」以上の「権限」をもっていることをいち早く自覚
すべきである。
しかもその権限の範囲は、時間軸でみれば、予算という行政の入り口部分でしか
ない。
決定された予算がどれほど、行政サービスの向上という意味で、どれほどインパ
クトを与えたか(いわゆる政策評価)について、自省しないのであれば、財政担
当課にマネジメントサイクルはまわせない。
マネジメントサイクルをまわせない組織は、自己を改善、改革する余地がないた
め、もはや自己満足でしかない”裸の王様”ではないのか。
まわりの事業を所管する部署に聞いてみるといい。
住民サービスに軸足をおかない内向きの組織は、”行政”として、存在する意義
さえないのではないだろうか。
そんな部署は、もうみなさんの組織にはないだろうか。
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住民協働
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◇住民協働
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★名ばかりの協働
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住民ニーズの高度化、多様化、
NPO法人の活動の活発化
などから、住民やNPOとの協働が
行政の施策の中で、当たり前となっている。
どこもかしこも「協働」である。
(もしくは、民間の活力の導入であろうか。)
しかしながら、実際の事業レベルでは、
「協働」は名ばかりのもので、
計画づくりのみの住民参画、NPOへの業務委託など、
協働したというアリバイづくりを目的とした
取り組みが圧倒的に多い。
また、
NPOが公共事業を行う=行政の経費削減
という思考回路をもつ行政職員も少なくない。
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★協働の意義
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住民やNPOとの協働のそもそもの意義を問いたい。
協働の意義は、住民やNPOと対等な関係のもとに、
公共事業をシェアすることで、
よりきめ細かく質の高い住民サービスや住民視点の公共サービスを
実現するということであろう。
協働は、住民ニーズの高度化、多様化に対応した
公共サービスを実現するための手段である。
ここでも、行政職員お得意の「手段の目的化」を行っているのだ。
これまで、行政は、住民やNPOとの関わりをもたずに、
行政の無謬性を確信し、利己的な行政サービスを行ってきた。
つまり、行政は、行政課題への解決策をもっているという、
根拠のない自信が大前提にあるのだといえる。
それでも、右肩上がりの時代は、
この利己的な解決策で十分通用していた。
しかしながら、
今後の時代は、答えのない時代であり、
地域特性や諸条件に応じたオリジナルの
解決策が求められているのである。
当然、行政単独では、能力的に限界があり、
適切な解決策は生まれにくい。
そこに、住民自身やNPOが
公共事業に参画する
意義が生まれるのである。
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★現場こそが、協働のフィールド
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協働は、机上でできるものでも、会議でできるものでもない。
協働は、行政とNPO等が現場に集い、
一緒になってどうすべきかを考え、
一緒になって行動(活動)することで、
初めて実現するのではないか。
現状把握、問題分析、解決策検討、解決策実行、評価見直しという
サイクルを一緒に行っていくことが
協働なのであろう。
そのためには、
これまで経験しなかった行政側の熱意と努力が必要となるであろう。
一緒に汗をかいて、認識を共有することから、
協働が始まるわけである。
協働は、
住民と行政が夫婦のように寄り添って、
同じ目的地に向かって、
歩くようなものだ。
一朝一夕に、「協働できた」などと
簡単にはいえないものなのである。
ただし、協働によるまちづくりを進めているときの
やりがい、充実感、喜びは、
行政単独で行う事業を軽く凌駕するものだ。
「住民のためのまちをつくっている」という
実感が得られるものだ。
また、協働は、まちづくりを進める上で、
足踏みや遠回りをしている印象を受けやすいが、
結果的には、住民のニーズに沿った
もっとも近道を歩んでいるのである。
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